外来のご案内
outpatient治療抵抗性統合失調症の
クロザリル治療が
当院で受けられます
クロザリル治療とは?
統合失調症は、原因はわかっていませんが、脳の様々な働きをまとめることが困難になって幻覚や妄想などの症状が起こる病気です。国内では、生涯のうちに統合失調症を発症する人は人口の約0.7%と言われていますので、1000人に7人が罹患します。
この統合失調症は薬物療法が進歩してきたので、多くの方は服薬で改善しますが、中には十分な量、十分な期間を服薬しても症状が改善しない「治療抵抗性統合失調症」の場合があります。
これに対し、世界で唯一有効性が認められている薬が「クロザリル(一般名:クロザピン)」です。
治療抵抗性統合失調症患者さんのうち57~67%で改善が認められるというデータがあり、海外でも米国、英国をはじめ100ヶ国以上(2016年8月時点)で承認されています。
当院でも2020年10月より治療を開始し、2023年12月までに13名の患者さんに対しての治療実績があります。
クロザリル治療の注意点
クロザリルは有効性の高い薬ですが、他の薬以上に副作用に注意が必要です。
主な副作用には、顆粒球減少症や心筋炎などがあり、薬の開始にあたっては入院治療が必要となります。そこで、まれにおこる副作用を早期発見し、安心してクロザリルを飲んでいただくために、定期的に血液検査を行います。
当院では[久留米大学病院 血液内科・精神科・糖尿病内科]とも連携し、万が一副作用が出現した場合でも、迅速な対応ができる体制を整えています。
クロザリル治療の流れ
通院中の患者さんやご家族が検討中の場合は、主治医にご相談ください。通院中でない患者さんは、現在の主治医の紹介状をお持ちください。
問診と血液検査等の検査を行います。クロザリル治療が可能かどうかを医師が判断するとともに、CPMSでの承認を受けます。
クロザリル治療の詳しい内容や、副作用についての説明を受けた上で、治療に同意する必要があります。
クロザリル治療の開始にあたっては入院にて経過を観察します。入院18週間経過後に顆粒球減少症の危険性が少なくなることがわかっているため、原則18週間の入院期間を設けています。
18週間が経過すれば退院が可能となります。外来で通院しながらクロザリル治療を継続することができます。
[当院での導入事例]
実際に、当院でクロザリルを
導入した患者さんについて
担当医師に話をききました
[ Aさんの事例 ]
幻聴や妄想により混乱した言動が続き、精神科病院への入退院を繰り返していたが、当院でのクロザリル導入後は明らかに症状が軽減。表情が明るくなり、集団の中でも落ち着いて過ごせるまでに。患者さん自身も退院後の生活の希望を話すようになり、自宅への受け入れに不安が強かった家族も前向きになり、退院となった。
[ Bさんの事例 ]
自分の悪口のような幻聴が続き、不眠やイライラすることが続いていた。外来で何度も薬剤変更を行ったが効果が出ず、自宅に引きこもることが増え、家族にも被害妄想を抱き攻撃的になっていた。クロザリルを導入したところ幻聴が減って表情が明るくなり、眠れるようになった。退院に向けて少しずつ準備をしている。
検討されたい方は、
当院にご相談ください。 統合失調症の患者さんで、いろいろな薬を試しても改善しない、副作用のため試せる薬がないと感じられている場合は、当院にご相談ください。副作用の不安については、少量のクロザリルから試すことや血液検査を定期的に行うことで対応が可能です。副作用や入院などご負担もありますが、治療の1つの選択肢として検討してみてはいかがでしょうか。
患者さんのご紹介は下記に
ご連絡ください。